マトリクスの積の法則は、マトリクス法や有限要素法の支配方程式を導くときに多用するので整理しておきます。
積の交換法則は一般に成立しない
マトリクス[A]とマトリクス[B]の積とマトリクス[B]とマトリクス[A]の積は一般的に同じ解にはなりません。そのため等式の両辺にマトリクスを乗じる場合は両辺とも同じ方向から掛ける必要があります。
積の結合法則は数字と一緒になる
マトリクスの積は、数字と同様に、どの順に掛けても成立します。計算しやすい部分から掛ければOKです。
積の転置関係は順序が入れ替わる
マトリクスは交換法則が成り立たないので、掛け合わせる順番を変えることは出来ませんが、積の転置関係と場合だけは順番が入れ替わります。変位法による有限要素法の剛性マトリクスを導出するときに用いる重要な法則なので、必ず押さえておきましょう。