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境界条件

 剛性解析では、製品や部品に様々な力が作用した時に、「静止」して釣り合う変形を求めることが目的となります。
 製品や部品を模擬した有限要素メッシュだけでは、宇宙空間のように無重力空間で物体が宙に浮いているような状態になっているのですが、実際には物体には様々な力が作用しています。また、無重力空間で宙に浮いている状態で、物体に力が作用するとどこかへ飛んで行ってしまいますので、位置が動かないように拘束する必要があります。

2次元モデルの境界条件例

このような製品や部品に作用する力や拘束のことを、境界条件と呼びます。
数学的に境界条件を考えると難しい内容になるので、ここでは剛性解析に限定して記述したいと思います。
境界条件は、変位を与える拘束条件と、荷重を与える荷重条件の2種類があります。
どちらも節点に対して条件を与え、両方を同時に与えることはできません。

 2種類の境界条件は、共にたくさんの名称が付けられていますので、混乱しがちです。
これは境界条件が、数学的な扱いであったり、物理現象ごとであったりと広範囲な分野に対して適用される用語であるためと思われますが、剛性解析において同義となる名称を合わせて記述しておきます。
 

拘束条件

 各節点の移動方向は、3次元の直交座標系の場合、並進方向であるX,Y,Z方向、及び、回転方向であるX軸周り,Y軸周り,Z軸周りの6方向の成分があり、これを自由度といいます。
 拘束条件は、各節点の自由度に対して拘束を与えます。それによって、有限要素モデル全体で、全ての方向に対して剛体的に移動しないよう拘束しなければなりません。
 また、拘束というと動かないようにする印象がありますが、指定した移動量を強制的に与える「強制変位」も拘束になります。
 
 拘束条件の応用で、有限要素モデルが、ある面について対称である場合、モデルの対称面に適切な拘束を与えることで片側のモデルだけで、全体の解析を実施することと同じになる対称条件とすることもできます。
 拘束条件は、第1種境界条件のディリクレ(Dirichlet)条件に含まれ、幾何学的境界条件や固定境界条件とも呼ばれます。
 

荷重条件

荷重条件は、各節点に外力として方向と大きさを与え、拘束条件を与えた節点以外の全ての節点に条件を与えます。力が作用していない節点に対しても、0(ゼロ)の外力を与えたと想定して、荷重条件が与えられます。(ソフトウェアを用いた解析では、力が作用していない節点は自動的に0(ゼロ)が与えられます)
 一定の幅や面積に分布するような荷重に対しては、それと同じ条件になるよう各節点に分配して条件を与えます。これを等価節点力(荷重)と呼びます。
 荷重条件は、第2種境界条件のノイマン(Neumann)条件に含まれ、力学的境界条件とも呼ばれます。