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直列と並列にばねを組合せたモデルの剛性方程式と変位

 これまで2本のばねを直列と並列に繋いだモデルの剛性方程式と変位について求めてきました。今度はそれらで用いた方法を使って、直列と並列を組み合わせたモデルの剛性方程式と変位を求めてみます。

 ばね要素E1,E2を直列に繋げ、E3はそれらと並列に繋いだ3本のばねで結合されたモデルを想定します。
ばね定数は、それぞれk1,k2,k3とします。また、各節点を左から節点n1,n2,n3とします。境界条件として、節点n1を拘束して変位u1を0(ゼロ)にし、節点n3のみに荷重Pを加えます。
 この時の節点n3の変位u3を求めてみましょう。

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 これまでと同じように、境界条件を含まない一般的なばねモデルを考えてみます。
各ばね要素に対する要素剛性方程式は、(1)~(3)のようになりますので、これらを重ね合わせて全体剛性方程式(5)にします。
このとき、全体モデルの剛性マトリクスは、(4)式のように、モデル全体の大きさに対応するように3×3のマトリクスとし、各要素剛性マトリクスの節点の荷重,変位に対応する位置に、ばね定数を配置して重ね合わせ(加算)、(4)式のように求めます。

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 全体剛性方程式が求まりましたので、これに境界条件をのように代入して連立1次方程式(6)を作成します。このとき、節点n2の荷重f2には、特に条件が設定されていませんので、外力が設定されていないことを意味する0(ゼロ)を代入します。

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 これをマトリクスから数式にすると(7)~(9)の形になります。

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 このとき、算出したい変位u3はいずれの式にも存在するのですが、(8),(9)の二つの式を使って方程式を解けば、(10)式が求まります。

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境界条件を代入した時の連立1次方程式の特徴

 境界条件を代入した全体剛性方程式(6)を見てみると、その特徴が分かってきます。
各節点に対して境界条件は、荷重fか変位uのどちらかに必ず代入されています。
 また、全体剛性方程式を数式に直した(7)~(9)を見ると、変位を算出するためには、変位が未知である(8),(9)式があれば荷重が未知である(7)は無くても求めることができます。
 よって、拘束している節点に生じる反力であるf1は、変位u2,u3を求めた後に代入すれば求まるので、連立1次方程式を解くときは、変位の未知式だけで連立方程式を解き、未知の荷重は後から求めていけば良いことが分かります。