トラス構造物内にあるトラス部材1本の一般的な状態を考え、図のように表したとします。
トラス部材のパラメータでも確認しましたが、トラス部材のばね定数は部材のヤング率,断面積,長さによって求まる定数k=EA/lとして扱います。
ばねの要素剛性方程式を立てたときと同じ手順でも要素剛性方程式は求められますが、今回は、数式上ではすでに説明してある重ね合わせの原理をイメージと合わせて解説します。
一般的なトラス部材において、両端の節点に対する力と変位の関係を知るために、2つの特別な場合を考えて、それぞれのフックの法則の式をたててみます。
(1)節点iが固定されてui=0の場合
(2)節点jが固定されてuj=0の場合
トラス部材の一般的な状態とは、2つの特別な場合を重ね合わせた場合と考えられますので、(1)式と(2)式を重ね合わせて(3)式とします。マトリクス表示すると、(4)式となり、kが具体的な部材のパラメータで決められる他は、ばねの要素剛性方程式と同一になります。
構造の剛性について重ね合わせの原理で考えることは、一般的、且つ応用が効くので、この考え方は便利でおススメです。