トラス構造は3角形の組合せで構成される骨組構造なので、2次元的に結合されている場合の方がより一般的です。そこで、図のようなx軸に対して、角度θだけ傾いたトラス部材を想定して、荷重と変位の表現方法について考えてみます。
このような場合、トラス部材の両端に加わる荷重、及び変位は、2つの表し方があります。
(1)要素の軸方向をx軸とする要素座標系で表す場合
トラス部材1本のみで考える場合、トラス部材の軸方向をp軸,軸に垂直な方向をv軸とする要素座標系を用いると扱いが容易になります。
ここで角度θだけ傾いたトラス部材に対して、要素座標系を用いた場合の節点 i の荷重をfpi,fvi、変位をδpi,δvi、節点 j の荷重をfpj,fvj、変位をδpj,δvj、と表示することとします。
(2)トラス構造全体で使用する全体座標系で表す場合
トラス構造全体で考える場合、ひとつひとつのトラス部材に設定する要素座標系では部材同士の関係性を結びつけることが困難になりますので、全てのトラス部材で共通する全体座標系を用いた方が扱いが容易になります。
ここで角度θだけ傾いたトラス部材に対して、全体座標系を用いた場合の節点 i の荷重をfxi,fyi、変位をui,vi、節点 j の荷重をfxj,fyj、変位をuj,vj、と表示することとします。
2次元に複数配置されたトラス構造では、全体剛性方程式は全体座標系を用いた方が良いのですが、部材ごとに剛性方程式をたてる時は、いきなり全体座標系で剛性方程式を立てることよりも、要素座標系で立てる方が容易です。
そこで、はじめに要素座標系の剛性方程式をたてて、要素座標系と全体座標系の関係を明確にして、これを全体座標系に変換するという流れで、剛性方程式をたてていきたいと思います。