2次元的なトラス構造に図のような角度θだけ傾いたトラス部材があることを想定して、このトラス部材の要素座標系における要素剛性方程式を立ててみます。
軸方向の荷重-変位関係は、1次元の荷重-変位関係と同じになるので、すでに1次元トラス部材の要素剛性方程式で求めた式に、その成分を合わせて(1)式のようになります。
トラス部材は、軸方向のみに剛性を持ち、両端点が自由に回転できる部材であるため、軸に垂直な方向の荷重は、他のトラス部材から伝達されたときに生じる荷重で、トラス部材では支えることはできません。また、軸に垂直な方向の変位が生じても、その変位を抑制するための荷重がトラス部材に生じることはありません。
よって、軸に垂直な方向の剛性は0(ゼロ)として扱い、(2)式のような要素剛性方程式になります。
マトリクス表記を使えば、(1)(2)式を重ね合わせることで、ひとつの式として扱うことができて(3)式のようになります。
トラス部材は軸に垂直な方向の剛性を持たないので、要素座標系の要素剛性方程式は、このようにとても簡単な式で表現することができるので便利ですね。